「どう歌いたいか」を意識して歌う
「歌が上手くなる方法」っていう新しいカテゴリを作りました。
このカテゴリでは自分が上手に歌うために気を付けていることや、ちょっとしたテクニックみたいなものをご紹介できたらいいなって思ってます。
当サイトにはすでにわたしの歌がたくさんアップされているので参考音源には事欠かないし、言葉でお伝えするのが難しい場合は新しい音源も用意するつもりです。
とはいえ。
わたしも人より上手に歌えるわけではないので、誰かに何かを教えられるような立場ではありません。自分がこれからもっと上手に歌えるようになるためにっていう意味も含めて、自分の覚書的な感じで記事を書いていきますね。
よろしくお願いします。
早速ですが今回は「どう歌いたいかを意識して歌う」ということについてです。
そんなの当たり前だろ!って感じかもしれませんが、わたしは本当にいつもここで躓きがちなんです。
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どう歌いたいかわからなくなる時がある
…ありますよね??
みなさんはいつも「自分はこの声を人に届けたいんだ!」と自信を持って歌えていますか?歌えていたらとてもうらやましいです…。
例えば優しく歌いたいのか、強く歌いたいのか。
高い音を軽い感じで響かせたいのか、ギリギリのかすれた声で歌いたいのか。リズムの取り方はネチッこく?それともむしろ走り気味ぐらいに軽快に?太い声で?細い声で?
挙げだしたらキリが無いんですが、色んな選択肢がある中で、じゃあ歌で自分が表現したいことってなんなんだって言われるとちょっと言葉に詰まってしまう。
それでも、最近少しづつ答えがわかってきている気がしているんですけどね~。
ちなみに、わたしの場合「自分がどう歌いたいのか」の答えを見えずらくしてしまう定番の罠があるんです。
ちょっとご紹介しますね。
罠1:ネットに溢れている「基本の歌唱法」
わたしの様に律儀な人ほどハマりやすいんじゃないかと思うのがこれです。
例えば「喉ぼとけは安定した位置にあるべき」とか「喉を締めずに腹式呼吸でお腹から声を出すイメージ」とか「声量は大きい方がいい」とか、まぁそんな類のやつ。
基本なんだから決して悪ではなく、むしろ絶対に必要な知識とテクニックだと思うんですが、これに縛られすぎるのはどうかと思うわけですよ。
この「基本の歌唱法」は調べれば調べるほど、理論的な正しさを裏付けにして歌のイメージを縛り付けてきます(注:あくまでわたしの場合ね)。しかもネットで簡単に情報を得られるという手軽さ。その気があればいつでも学ぶことができます。
これ本当にすごいんですよ。喉周りの筋肉の働きとかまで解説してあるサイトもあるの。マジで勉強になります。生物のね。
その結果だんだん、腹式呼吸で大きな声を出したり、喉を締めて歌わないことが絶対的な正しさだと思えてくる。さらには喉を締めないで歌うことに「正しいことをしている」という安心感さえ芽生えてきます。
この状態って自分の場合はマジで危ないんですよね。
もうどう歌いたいかがほとんど見えなくなってるの。
普通に考えたら、喉を締めた声を出したくて喉を締めて歌ってる人にとってはそれが正解でしょ?蚊の鳴くような小さい声で頼りなく、あえてカッコ悪く歌いたいって人もいるわけでしょ?喉がつぶれるほど魂を込めて歌う人に対して「そういう歌い方は喉がつぶれるから間違ってる」っていうのはどうなんだろう。いつか喉がつぶれてもそれこそ音楽だって話もあります。そういう人たちを否定しだしたら、もうクリエイティブな芸術としてはもう終わってますよね。ジ・エンド。
重々わかっちゃいるんですけどね~…。やっぱり理屈って強いですよ。気が付くと歌のイメージより正しい歌唱法の方を重視しちゃってる時があるもの。
どっちも大事ってことで上手くバランスを取って歌いたいですね。
罠2:高音を歌った時のフィジカル的な快感
これは歌が好きな男性ならみんなわかるんじゃないでしょうか。
歌ってもちろん表現方法の1つではあるんだけど、同時にフィジカルな快感もかなりありますよね。
特に高い音程を歌うとき。
高い音を自分の満足のいく感じで歌えた時の爽快感といったらもうアナタ。ヘブン状態ですよ。ついさっき色々書いたこととか全然関係ないの。走り高跳びでバーを飛び越えるようなシンプルで力強い快感。歌の楽しみの一つです。
でもこれもわたしにとっては非常~に危険な罠なんですよね。
ここらで音源をどうぞ。
・作成中のオリジナル曲
2016年7月現在、当サイトで作成中の曲です。
作成中なのでかなり中途半端な状態ですが歌はわたしが歌っています。ロックな曲なので、サビではhiB~hiEまでの高い音を使用しています。
サビの後半で一番高くなる部分がhiEで、このぐらいの音が自分的には一番テンションが上がるので何も考えず地声で歌いました…が。よく聴いてみてください。好みの問題もあると思いますが、ここってコード感が展開していく部分なんですよね。なんか盛りだくさん過ぎる気がしませんか。むしろこの部分の歌は裏声で一回抜いて、コードを聞かせた方が音楽的にはかっこいいかもしれません。やってみないとわかんないけどね。
余談ですが一流のジャズなんか聴いてるとこの辺のバランスをライブのアドリブでとっちゃうから痺れますよね。しかも一歩下がったり出たりってレベルじゃなくて、演奏者なりのアクセントまで拾って曲に自然になじませてしまうリズム隊とかを見ると才能の違いに愕然とします。まるで音で会話をしているかのよう。同じ人間とは思えません。
このように。
冷静に聴けば色んな判断が出来るんですがこの時はフィジカルな気持ちよさで音楽的なセンスが失われています。怖いですね~。だって気持ちいいんだもん。どう歌いたいか、どう表現したいかなんてすっとんじゃうぐらい気持ちいいんだもん。危険ですね~。
ちょっと話がズレますが、カラオケで原曲キーで歌うか、自分に合ったキーに調節して歌うかっていう問題ありますよね。
わたし的にはあんなの自分に合ったキーに変えた方がいいに決まってる。
人それぞれ音程による響きが違うんだから、アーティスト本人と同じキーで歌ったって同じ響きになるわけありません。
わたしは184cmと長身で首が長いにもかかわらず元から声が高いです。なんでかわかりませんが先ほど掲載した音源の通りなんです。
なので、例えばミスチルを普通に歌っても櫻井さんの様なギリギリの表現ができません。自分には低すぎるんです。軽く歌えばもちろん歌えるんですがそれじゃミスチルの歌の良さが出ないでしょ。で、合わない音を無理やりロック的に強く出そうとしていつも喉を壊してしまいます。対策は簡単。キーを上げればいいんです。
自分とは逆に声が低い人も全く同じ発想だと思うんですよね~。結局出た声こそが全てなんだから音程の名前なんかラでもシでも関係ないでしょ。「用はあのアーティストがシを出した時の響き」が好きなわけでしょ。じゃあその響きに近くなるぐらいのキーまで下げればいいだけだと思うんだよなぁ。
いずれにしても男性の歌において「高音」って何か特別な意味がありますよね。これもあまり惑わされず、自分の表現を意識して歌いたいところです。
常にどう歌いたいか意識して歌う
プロとして音楽をやっていた場合、例えばツアー初日で声を潰すわけにはいかないもんね。仕事として。
でもわたしのようなただ音楽を趣味としている素人にとっては、音楽は本当に自由です。何をやっても間違いじゃないし、無限に遊べる公園だと思ってます。
あまり色んなことに惑わされずに、その曲をどう歌いたいか、もっというとその曲で何を表現したいのかを常に意識して歌いたいと思っています。わたしにとってはその方が絶対楽しいから。
罠として書きましたが、歌の大事な要素である「基本の歌唱法」や「高音のフィジカルな快感」とも上手くお付き合いしつつね。
今日はこんなところかな。以上です。