オリジナル曲のメロディ(旋律)の作り方
オリジナル曲の作り方シリーズ第一弾!
この記事では歌モノのメロディの作り方を解説します。
メロディは歌モノの曲の中でも一番大事な部分ですよね。作曲していてもとても楽しいパートです。ちょっとしたポイントを押さえるだけでグッと良いメロディになると思いますので、メロディ作りに苦戦している方はぜひ読んでみて下さい。
前回の記事はこちら。
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オリジナル曲の作り方をわかりやすくまとめました
オリジナル曲の作曲手順
今後このシリーズを続けていくにあたって同じことを何度も書くと思いますが、大前提として音楽は自由なものです。特にわたしの様に趣味として音楽を楽しむ場合、こういう作りのメロディはいいとか、これはダメだとか、作曲の手順はこうあるべきだとか、そういうことは一切無いはずですよね。ご自分が良いと感じたなら、それが一番正しい方法なんじゃないかと思います。
というわけであくまで「一例として」という意味合いになりますが、このシリーズでは以下の順序で記事を書き進めていきますよ。
1.メロディを作る
2.メロディにコードを付ける
3.メロディとコードにドラムを付ける
4.曲としての完成度を上げる(ベースと味付け)
5.ミキシングとは
以上。
今回は1番のメロディの作り方の解説です。
実際はもちろんコードが先でもいいし、リズムから出来上がってもいいし、語り弾きみたいに同時に作ってもいいし、とにかくもう、出来上がりさえすれば何でもいいんだと思います。ただ、「オリジナル曲の作り方」として記事を書き進める際に、どうしても便宜的に順序が必要なのでこういう順番にしてみました。
わたし自身、このシリーズを通して新しいオリジナル曲を作りながら、都度音源をアップしつつ記事を書いていくことにします。なのでシリーズの最後にはオリジナル曲が一曲出来上がる予定です。
…たぶん。
オリジナル曲のメロディの作り方
それでは早速本題。
歌モノのメロディを作曲する場合に押さえておくべきいくつかのポイントについてご紹介します。
ボーカリストの音域は必ず録音して確認する
実際に歌を歌う方が作曲者本人の場合もあるだろうし、作曲者以外の方が歌う場合もありますよね。いずれにしても、まずはボーカリストの音域をしっかりと把握しておかなくてはいけません。
この時必ず何らかの媒体に録音して確認してください。
これ、個人的にはすごく大事なことなんじゃないかと思っています。
歌っていうのはどうしても主観的になりがちですよね。
自分で歌う場合はもちろんのこと、他人の歌を聴く場合もまたしかり。歌の良し悪しを客観的に判断するのって本当に難しい事だと思います。
でも、聞き手は他人。
特に自分の歌を聴く場合、外に出る声と自分の耳に聴こえる声って人体の仕組み的に全然違うんですって。「録音した声を聴いたら自分の声が変に聴こえて恥ずかしかった」っていう経験は誰でも一度はありますよね。その「恥ずかしかった」理由は、普段主観的に聞いていた自分の声を客観的に聞いたからに他なりません。
録音して聴いてみたら、歌えているつもりが全然歌えてなかったっていうのがほどんどなんじゃないかと思いますが、逆に歌えてないと思ったのに意外といい声が出てたっていうパターンもあるはず。
他人の歌を聴く場合も同じです。生声で聴いたら迫力があってかっこよかったのに、録音してみたらピッチのズレが気になってカッコ悪く聞こえるとか。
とこかく、この「かっこよく聞こえる」っていう感覚が重要。
どのぐらいの音域まで「かっこよく」歌えているのかを、録音した上で客観的に研究してみましょう。
高いキーで声がガラガラになっても、超ロックでかっこいい!っていうこともあるだろうし、きれいに歌ったつもりがただ芯のない声になっていた…ということもあるでしょう。つまり、歌として表現できている音域を客観的に知ることが大事なんじゃないかと思います。
必ず録音して、かっこよく歌える音域を客観的に確認するようにしましょう。
メロディの合間にブレスを入れる部分を作る
ブレスっていうのは歌の息継ぎの事です。
歌モノで無いなら全然考慮しなくていい部分ですが、歌モノならブレスは必須!
試しにブレスを意識せずに、あなたの考える最高にかっこいいメロディをマシンガンの様に連打してみたとします。次から次へとたたみこむように重なり合う素敵な旋律…美しいですね。
その頃ボーカルはと言えば、まず軽い酸欠のため指先がにわかに震えだし、二回目のリフレイン辺りにさしかかると本格的なチアノーゼで唇が青く変色。美しいメロディが終焉を迎えると同時に卒倒します。
ボーカルの健康を守るためにも、フレーズとフレーズの間には十分にブレス出来る空白を意識的に設けてあげましょう。ちなみに自分で口ずさみながら作曲すれば、何も意識しなくても自然にそうなります。これについては後述します。
曲の構成を意識してメロディを作る
「Aメロは淡々と歌い、サビで突き抜けるような高いキーを出してメリハリを付けたい」のにAメロからhiG辺りを攻めてしまうと、恐らくサビが歌えなくなるでしょう。
「コンパクトでキャッチーな曲」を目指していたのに、気づいたら1番だけで3分経ってたとか。いずれも曲全体の構成が見えていません。
もちろん全て自分の経験です。愚かなり。
始めは何気なくフッと出てきたメロディ。
このメロディーでどんな曲を作りたいのか、簡単でいいので、全体的な曲の構成を始めにしっかりとイメージしておくといいんだと思うんですよね。
「終始淡々としたメロディにしたい」
「サビでドカンと盛り上げたい」
「早口でAメロからたたみこむような曲にしたい」
などなど。
曲全体の構成がイメージ出来ていると、おのずとメロディーの方向性も定まってきます。方向性が定まれば、当然メロディの作曲もしやすくなるはずです。
歌いやすいメロディと歌いやすい歌詞(母音)を知る
音域の確認に通じる部分でもう一つ。
歌いやすいメロディと歌いやすい歌詞(母音)を知っておきましょう。
キーの高い低いに関わらず人それぞれ歌いやすいメロディがあります。また、人それぞれ歌いやすい歌詞のつながりがあります。
ちなみにわたしの場合、単音なら一番歌いやすい母音は「え(e)」と「い(i)」です。「あ(a)」や「お(o)」は低い音程なら出しやすいんですが、高いキーになると声が上に上がってきてしまい(表現が難しい…)とても難しく感じます。「い(i)」は逆に下に抑え込んでくれる感じ。また、歌詞の前後の母音やメロディよっても歌いやすさが変わってきますよね。
なので、自分が得意なメロディ回しや歌詞のつながりをぜひ研究してみて下さい。知っておくとメロディを作る時に拠り所になりますよ。
むしろここを無視してメロディを作ると、非常に歌いずらい(難しい)曲が出来上がってしまい、結果的に聴き手にも伝わりずらくなってしまうかもしれません。
メロディは実際に口ずさみながら作る
以上を踏まえて実際にメロディを作ってみましょう。
最後にもう一度おさらいです。
・ボーカリストがかっこよく歌える音域の範囲で
・フレーズの合間にブレスを入れつつ
・曲の構成を意識して
・歌いやすいメロディと歌詞で
メロディを作ります。
最後にして最大のポイントは「メロディは実際に口ずさみながら作る」ということ。
色んな事をダラダラと書いてきましたが、実はこれでほとんどのポイントは押さえられたことになるんですよね。ブレスを入れなければ口ずさめないし。口ずさめばある程度自然に歌いやすいメロディになるし。歌詞も実際に口ずさんで歌いずらいと感じたらその都度変えればいいんです。
大きな声を出せない環境の人はちょっと辛い所ですが、小声でもいいので必ず口ずさみながらメロディを作りましょう。楽器やDTMソフトを使って譜面上のみでメロディを作曲する場合、相当慣れていないと何らかの失敗することが多いんじゃないかと思います。もちろんこれも自分自身の経験です。
もしどうしても声を出せない場合は、上記4つのポイントを意識してメロディを作曲してみて下さいね。
さて。
上記を踏まえて私自身も実際にメロディを口ずさみながら作ってみましたよ。
・メロディ
カウントの音はメトロノームではなく指パッチンです。とりあえず手軽にワンフレーズだけ歌ってみました。コードが無いのでなんだかよくわかりませんが、現段階ではこれでOK。これはAメロのイメージです。サビはもうちょっと高いキーでメリハリを付けたいと思います。
次回はメロディに対するコードの付け方です。このメロディにも実際にコードをつけていきますよ。
お楽しみに。