オリジナル曲のコード進行の作り方【オリジナル曲のキーを確認する】
オリジナル曲の作り方シリーズ第二弾!
今回は、オリジナル曲のメロディにコードを付ける際の下準備として、これからコードを付けるオリジナル曲の「キー」を確認してみたいと思います。曲のキーを把握していると格段にコードがつけやすくなりますよ。
慣れてしまえば簡単な作業なのでぜひ最後まで読んでみて下さい。
前回の記事はこちら。
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オリジナル曲の作り方をわかりやすくまとめました
まず、コードって何??
ご存知の通り、複数の音を同時に鳴らすことで色んな響きになるアレですよ。
いわゆる「和音」ってやつです。
ギターやピアノなど、楽器を弾く方なら普通に知ってるんじゃないかと思います。CとかAmとかね。ギターではFのバレーコードで一回挫折するっていうのが定番。
で。
あんまり音楽の授業みたいなややこしいことは書きたくない(書けない)んだけど、コードの仕組みを最低限知っていると、コード進行を作る時に結構役に立つんです。
というわけで、以前コードについてまとめた記事がありますので、コードの知識に自信のない方はまず読んでみて下さい。
なんとなくコードの雰囲気がわかりましたでしょうか。
(上記の記事にも登場しますが、当記事でも「ドレミファ…」という音名と「CDEFG…」という音名を合わせて使用します。混乱させたらごめんなさい。)
基本的には、メロディーにコードがついて始めて曲らしくなるんです。メロディーの意味を決定づけるとても大事な部分。コードが違うだけで、同じメロディーが全く違う聴こえ方や意味合いになるんですよ。
簡単にコードを付けるための下準備
それでは、実際にコード進行を作る作業に入る前にちょっと下準備をしましょう。基本的にはピアノ(MIDIキーボード)を使用して話を進めていきますね。
まずは前回作曲したメロディから、オリジナル曲の調(キー)を確認します。
メロディーのキーを確認する
「キー(日本名:調)」ってカラオケでよく使う言葉ですよね。
原キーだと高すぎるからちょっとキー下げて!とか。この曲低いからちょっとキー上げて歌うわ、とか。なので何を意味しているかは感覚的によくご存知かとは思いますが、一応ご説明しておきます。
カラオケでドレミの歌を歌う場合を考えてみて下さい。
まずは原キーでドレミの歌を歌います『ドーはドーナツのドー』。このとき始めの「ドー」の部分の音程はもちろんCです。次にDAMのリモコンでキーを1つ(半音)上げて歌ってみましょうか。『ドーはドーナツのドー』。このときの始めの『ドー』の音って??
…
そう。同じドでも今度は半音上がったC#の音になっています。
このキーを1つ上げた状態のドレミをピアノで弾くと、以下のような音の配置になります。
全ての音が半音ずつ上にズレました。
これが「C#メジャー」というキーです。同じくドレミの歌をピアノのFの位置から始めれば「Fメジャー」。カラオケでキーを上げ下げした音階に全部名前がついてるって思ってもらえばおおよそ合っているんじゃないかな。たぶん。
ちなみに、楽しい響きの調は「メジャー(長調)」、対して悲しい響きの調は「マイナー(短調)」といいます。メジャーのスケールはドの音から始まり、マイナーのスケールはラの音から始まります。
さて。
ご自分の作ったメロディはどのキーで作られているかわかりますか??
そんなのすぐわかるよっていう人は読み飛ばしちゃってください。
一番手っ取り早く確認する方法は、ご自分が作ったメロディの「ルート音」を把握しておくことです。これは同時にオリジナル曲のキーを確認しておくこととほぼ同じ意味になります。
ルート音っていうのはキーの始まりの音。つまりメジャーなら「ド」で、マイナーなら「ラ」です。長調でも短調でも、とにかくメロディの中で一番落ち着いて聞こえる音がルート音です。
ちょっと例をあげてみますね。
どうやら母さんも長いらしい「ぞうさん(メジャー)」
『ぞうさん ぞうさん お鼻が長いのね』
ルート音のドは『ぞうさん』の「ぞ」の音程です。
子牛好きなら涙無くして歌えない「ドナドナ(マイナー)」
「(一番の最後)ドナ ドナ ドナ ドナ 荷馬車が揺れる」
ルート音のラは『荷馬車が揺れる』の最後「る」の音程。
ね。どちらも一番落ち着く音でしょ。
もうちょっとやってみましょうか。
得体のしれない恐ろしさ「かごめかごめ(マイナー)」
『かごめかごめ 籠の中の鳥は』
ルート音のラは歌いだしの『かごめ』の「かご」。っていうかその他の部分もラだらけです。
赤ちゃんを寝かしつけるならこれ「ゆりかごの唄(メジャー)」
『ゆりかごの歌を カナリヤが歌うよ』
ルート音のドは『ゆりかごの』の「の」の音程。
ピンときましたでしょうか。こればっかりはメロディ次第なので何とも言えないんですが、ニュアンスは伝わったんじゃないかと思います。
こんな感じでご自分のメロディのルート音を探して、オリジナル曲のキーを確認してみて下さい。楽しいメロディで、ルート音が鍵盤の「ミ」ならEメジャー、悲しいメロディでルート音が鍵盤の「ドのシャープ」ならC#マイナーです。
オリジナル曲のキーに合わせてキーボードを移調する
さて。あなたのオリジナル曲のキーはわかりましたでしょうか。
次の手順です。
お手持ちの楽器がMIDIキーボードか、またはMIDIキーボードでなくても移調(トランスポーズ)機能が付いている場合は、オリジナル曲のキーに合わせてキーボードを移調し、鍵盤上のドレミファソラシドとメロディのドレミファソラシドが一緒になるように合わせておきましょう。
これをやるとやらないとではこの後の作業の難易度がグッと変わってきます。
どういうことか実際にやってみますね。まず前回わたしが作ったメロディを聴いてみて下さい。
・メロディ
何の気なしに歌ったメロディですが、キーを確かめてみるとA#マイナーでした。なのでマイナーのルート音「ラ」が鍵盤上ではA#の位置になります。
これ、さっきドレミの歌の件でご紹介したC#メジャーと一緒の配置ですよね。C#メジャーとA#マイナーのスケールは一緒なんです。
鍵盤上のC#からドレミファソラシドが始まるので、半音と全音の関係上スケール上に黒鍵がたくさん登場していますね。この状態だとコードを弾くときにも必然的に黒鍵が登場することになり、わたしのような初心者にとってはグッと難易度が上がってきます。
なので、ラの音が鍵盤上でもラの位置に来るように、MIDIキーボードのキーを半音上げてしまいましょう。すると。
強引な図ですがわかりますでしょうか。
MIDIキーボードのキーを1つ(半音)上げたことで、始めは鍵盤上のC#にあったドが鍵盤上のCの位置になり、鍵盤上のD#にあったレが鍵盤上のDになり…という形で全てきれいに白鍵の位置に収まりましたね。本来の位置、っていう表現も何か違和感がありますが、まぁ本来の位置に戻ったわけです。見た目上は普通のAマイナーになりました。そしてこの状態の方がはるかにコードを簡単に弾くことができるんです。この辺りは次回、実際にコード進行を作りながら改めてご説明しますね。
というわけで、ここまでの手順をもう一度おさらいしておきます。
まずは自分の作ったメロディからオリジナル曲のキーを確認。つまり長調の場合は「ド」の音を、短調の場合は「ラ」の音を見つけます。どちらもメロディの中で一番落ち着きのいい音です。
そうしたら後はキーボードを移調して、メロディの「ド」の音が鍵盤のドの部分に、またはメロディの「ラ」の音が鍵盤のラの部分に来るように調節してみて下さい。
曲と合わせて一通り白鍵を弾いた時に、違和感が無いようなら成功です。
もし、生ピアノなど移調機能の無い楽器を作曲に使っている場合は、逆にオリジナル曲のキーを一時的にCメジャーかAマイナー、つまり普通のドレミファソラシドにしておいてもいいかもしれませんね。で、コード進行が出来上がってから元のキーに戻す。始めは絶対にこの方が簡単にコード進行が作れるし、後々コードの意味合いや仕組みもわかりやすくなるんじゃないかと思います。
というわけで今回はここまで。
以上を踏まえて次回は実際にコード進行を作っていきますよ。
お楽しみに。