秋の長雨とズル休みの思い出
連休でなかなかゆっくりDTMをする暇が無く…。
今日も箸にも棒にもかからない歌日記を書こうと思います。
前回の記事はこちら。
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2016年9月19日の歌日記
※一日遅れでアップしてます。
それではどうぞ。
・2016年9月19日の歌日記
絶賛継続中の副鼻腔炎により鼻声です。さらに声もスカスカです。最近言い訳ばっかりですいません。
秋の長雨にズル休みの悲劇を思い出す
わたしの住む地域ではこの三連休ずっと雨でした。
先日あたりから気温はまた一段と下がり、朝晩の風は肌寒く、空の色は一段と薄くなり、完全に秋になったことを感じさせます。どんどん食べ物がおいしい季節になりますね。キノコとかね。わたし自身は山菜採りはしないんだけど、山好きな親戚が多いので戦利品のおすそ分けがあるんです。
働かずして得る。最高の贅沢だと言えよう。
さて。
この時期って毎年なんとなく小学生っぽい気分になるんですよね~。わかりますか?自分でも上手く説明できないんだけど、五月病に近いニュアンスかもしれない。
夏の厳しい暑さが一段落して、冬に行く前の短い準備期間。
フッと気が抜けて大人としての気持ちのバリアが薄くなり、子どもの部分が現れるっていうか。
普段から他愛もないことをあれこれ考えるのは好きな方なんですが、こんな風に雨が続いたりするとより一層気持ちが内に向かってくるっていうか。
なんでしょうね。うまく書けません。
とにかく!この長雨でふと昔のズル休みエピソードを思い出したのでご紹介したい。
悲劇です。
ズル休みのための体温計調節をミスった
あれは小学校3年生か、4年生の頃。
なんか朝から全然やる気が出なくって。いや、もともと元気に学校に通うキャラじゃなかったので特別なことじゃないんですけどね。
正直しょっちゅうズル休みしてました。
そんないつも通りのある日。
たぶんこんな雨の日だったんだと思います。もう気怠くって、どうしても学校を休みたくて。いつもの熱発偽装をしようと思ったわけですよ。体温計をこすることによって数値をごまかす例の技です。知ってますか?
手順はこうです。
1.まず親に具合が悪いことを告げる
作戦はここから始まります。演技っぽくなり過ぎないように、あくまで自然に。
2.親の指示通りに体温を測る
すると、十中八九体温計測を指示されます。この時点ではおとなしく言われた通りに測りましょう。
3.隙をみて体温計をこする
さてここからが本題です。子どもが体温を計っているのをずっと見守っている親はいません。ただでさえ朝の忙しい時間。特にうちは共働きだったので自分の出かける準備でドタバタしています。
親の動向を注視して…親の注意が逸れた瞬間を見計らって体温計をこする!こする場所は人それぞれですが、わたしの場合は脇で直接こする!しかも一回のみ!もはや職人の領域です。脇に力を込めて体温計を抜くようにして一回摩擦。これで37.5℃の数値をたたき出す。選ばれし者のみが使える神業です。
いつもはこれでミッションコンプリート、のはずだった。
しかしこの日はミスった。
なんででしょうね。摩擦の塩梅が悪かったのか体温計が39℃を超えちゃったんです。ズル休み常連の方ならわかってもらえるかと思いますがこれって致命的なミスなんですよ。
実はさっき書いた37.5℃って適当に書いた体温じゃなくて、熱はあるんだけど病院にいくほどでもない、親としては「じゃ、家でゆっくり休んで様子を見ようか」っていう気持ちになる絶妙な体温なんです。それ以下だと「このぐらいなら学校ヘ言っても大丈夫」という判断になりズル休み失敗。これはこれで悲しいんだけど、今回は上に超えちゃいました。これもう病院行き決定です。一番面倒なパターン。
午前中の楽しいNHK教育テレビを見ることもできません。「あ、熱下がって元気が出てきた」とか白々しい嘘をついてテレビゲームをする時間も減ってしまいます。
…何書いてんだろ 笑。
まぁ、続けます。
で、案の定この日も病院行きが決定しました。
もう肩をがっくり落としてさ…せっかくズル休みをゲットしたのに、残念過ぎて本当の病人みたいになっちゃって。
で、親に連れられてとぼとぼと近所の診療所に向かったわけです。
この診療所、昔からヤブ医者って有名だったんだけどわたしとしてはそれを実感したことはなく「べつに普通のお医者さんじゃん?」ぐらいに思ってたんだけど…。
この日、本当のヤブ医者ぶりを体感することになるのであった。
健康な人間に注射するという愚行
受付を済ませて、あらためて体温を測って(神業により37.5℃付近をたたきだしたが、朝39℃を超えた事実は覆せなかった)待合所で両さんを読みながら順番を待ちます。
隣には母。
実際には風邪ひいてないわけですからね。正直ドキドキですよ。いくら体温計は誤魔化せても本当のお医者さんは誤魔化せません。聴診器や、直接手で胸を叩く謎のトントンや、消毒液の匂いが香る銀のアイス棒みたいなやつで喉を覗かれてしまってはもう一巻の終わり。
仮病だとばれてしまうでしょう。
お母さんも仕事忙しいのに。怒られるだろうな。気分はもう断頭台の順番をを待つ受刑者です。
しばらく経って雨が上がり少し陽が差してきた頃、名前が呼ばれました。
ついにわたしの順番です。
母と手をつなぎながら奥の診察室へ。
扉を開けると丸メガネのいつものお医者さんがいます。男性の医師で、年はたぶん当時50歳前後だったんじゃないかなぁ。
うながされるままお医者さんと対面するように椅子に座り、問診開始です。
「今日はどうしたの?」
わたしが言い淀んでいると、すかさず母が答える。
「朝から調子が悪くて…熱と、あと頭も痛いみたいで。ここで測ったときは37.5℃でしたが家で朝測った時は39℃を超える熱で…ちょっと心配だったので連れてきたんです。」
医者は母の言うことを小さくうなずきながら聴いていた。
一通り母の話が終わると今度はわたしの方に向き直る。
「頭はまだ痛い?」
「はい、ちょっと。でも朝より良くなってきました。」
「熱はどうかな。ボーっとしたような感じはする?」
「ちょっとだけ…でも朝より治ってきた感じです。」
そう。
「朝より治ってきた」作戦です。残された道はもうこれしかない。そもそも始めから健康体なんだから。朝は具合が悪かったけど、この数時間で奇跡的に治った、という体で押し通す作戦にしたわけ。なかなか利口でしょ。
問診は続きます。
銀のアイス棒で舌を下げながら医者が喉をのぞき込む
「喉は痛い?…うん、ちょっと赤いね~」
「(は?そんなバカな)え…?は、はぁ…痛いかもしれません。」
なんだか様子がおかしくなってきました。
だって仮病だから。喉痛くねぇから。何言ってんだこのオヤジ。それなのに仮病の後ろめたさでハッキリと「痛くない」と言えないもどかしさ。っていうか、むしろこのまま上手く行けば風邪ってことで一件落着する可能性すらある!
続いて聴診器で胸の音を聴きます。
「うん…風邪かなぁ。胸の音も悪いね~。」
「(えぇ~!!!)はぁ…そうですか…(ちょっとちょっと!)」
こんな流れで、なんかわかんないけど風邪っぽい感じにされちゃって。ホッとしたような…あっけに取られたような、変な気分でした。
しかし問題はここからだった。
医者は母に向かって言った。
「たぶん普通の風邪だと思うんだけど、朝39℃以上あったっていうのはちょっと心配なので、一応注射しときましょう。」
(えぇーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
ここで書いておきたいのはわたしがいかに注射が嫌いかということ。
そりゃ注射好きな子どももなかなかいないとは思いますが、わたしは特別です。嫌すぎて泣きすぎて注射が中止になったこともあるぐらい。あの時の医者のあきれた顔は忘れられません。「こんなに泣いてれば出来ないよお母さん。無理無理。」てな感じでしたね。今考えると医者にも、母にも、非常に申し訳ないことをしました。
それにしても、まさかの注射ですよ。
まさか過ぎるでしょ。全然具合悪くないのに。仮病なのに。言うに事欠いて「注射」とは。こいつ本当に医者か…?どこをどう診察して結果を出したんだ…?怖すぎる。
言いたい…「仮病なんです!」。
言いたい…「全然具合悪くないんです!」。
頭は完全に錯乱状態ですが状況は着実に進んでいきました。診察室から速やかに処置室に移動。これこそ本当の断頭台じゃないか。処刑決定です。見る間に左腕にゴムチューブが巻かれ、肘裏に血管が出現。この頃にはもう完全に放心状態になっていました。
どうしても言えない…「体温計をこすった結果なんです!!!!」
頭の中に渦巻く後悔。言いたいことだらけなのに言えることが一つも無いなんて。悔しい…自業自得か…でも悔しい。
神よ。これが罰なのですね。
プスリ(号泣)
こうしてわたしの左手には贖罪の痣が刻まれたわけです。
あれはいったいなんだったんだろうなぁ…。町のお医者さんってそんなもんなんでしょうか。いや、そしたらお医者さんに失礼だな。
今は引っ越してしまってその町には住んでないんですが、数年前ふらりと通りかかったらその診療所、なんとリニューアルして大きくて立派な建物になっていました。
不思議なもんですね。
というわけで、今日は「体温計をこするときは体温の上げ過ぎに気を付けよう」というお話でした。
違うか。
・2016年9月19日の歌日記【再掲】