頭部全体を満遍なく使って歌う感覚【8月歌練習 #2】
前回の記事からちょうど一週間が経過した。
⇒前回記事:2つの声「太い響き・細い響き」を使いこなしたい【8月歌練習 #1】
毎日声を出して練習していた様子は、いつもなら録音して確認したそばから消してしまうのだが、この期間については過程を記事にするために残しておいた。
というわけで今回は、1週間で声にどんな変化があったのかを順を追って聞いてみようと思う。ちなみに私個人の実感としてはかなり大きなキッカケ掴んだ気がするので、そちらも最後にご紹介してみよう。
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1週間が生み出す僅かな変化を積み重ねて
声が変化していく感覚と言うのはどうしても主体性が強く、それを音源のみで客観的に伝えるのはとても難しい。要するに「全然変わらないじゃん」という感想になるのが普通だと思っている。いつも言ってることだがこれはもうしょうがないね。
これも毎回の如く、ほぼほぼ需要が無いことは十分承知しつつも、それでも出来るだけわたしの主観的なイメージを感じていただけるよう努力して文字化してみるのでそこんとこ夜露死苦。
大きな声を出したかった【1日目・2日目】
まず一週間前の段階で、わたしが声を出す時のイメージを後付けで図にしたものが以下の画像である。
これだけ見ても何のことやらサッパリかと思うが詳細は前回記事に書いているため省くとして、自分の中では力の拠り所が明確になりつつあったため、今こそ大きな声を練習してみようと思い立ったのが1日目と2日目だった。
1日目
大きな声を出そうと息を多めに使った結果、喉の空間が必要以上に押し広げられて大きくなっている印象がある。高い音になるに従い引っかかるべき場所に勝手に引っかかってラクになっていくが、対して低い部分はソリッドになりにくく案外疲れる。
2日目
低い部分で喉が広がり過ぎないよう息を調節してみた。するとやはり1日目ほどは大きな声になりにくく、ピッタリの息で大きく声を出すためにはもっと熟練度を上げなくてはいけないのかもしれない。
大きく響かせるために適切な息の量を調節【3日目・4日目】
ならば、声の大きさと息の量の関係を推し量ってみようというのが3・4日目のテーマである。
3日目
声が小さくなり過ぎないようにとは意識しつつ、バランスが取れるような息の量になるよう考えながら歌ってみた。
ダメな部分は息がカスれるようなザラ付きがあるが、(恐らく)ピッタリあっている(と思われる)箇所については、息が過不足なく声に変わる感覚がなんだか水のように感じる。水…そう、なんというか、やっぱり、水…かなぁ…またしてもこんな書き方しかできないぜ!
どちらにしろその「水状態」を維持したまま大きな声を出すのが非常に難しく、このまま練習していれば良くなっていく類の問題なのかそれとも何かが決定的に違っているのか、よくわからん。
4日目
4日目については趣向を変えて、以前の歌い方と現在の歌い方の比較音源を録ってみた。
書くまで無いと思うが一応【今⇒昔⇒今⇒昔】の順で歌っている。
わたし本人としては、歌っている時はもちろん、以前の歌声を聞くだけでもこの歌い方がいかに疲れるかをカラダが思い出し、なんとも息苦しくなる音源だ。実際に3曲も歌えばヘバってたし。カラオケに行った翌日は必ず声がガッサガサになったし。
以下にこの頃作った曲をいくつか掲載しておこう。上の音源は特徴を誇張して歌い過ぎたキライはあるが、やはり同じ系統の出し方で歌っていることがお分かりいただけると思う。
喉の太さのイメージを現実とすり合わせる作業【5日目~7日目】
昔の喉の使い方を自分なりに思い出しながら再現してみたところ、あることに気がついた。それは「自分がイメージしている喉の太さが実際と違う」ということである。
わたしは声変わりしてから数十年というもの、自分本来の声よりも「太く低く」出そうとしていた、ということは歌い方のチェンジを始めた何年も前に気がついたことだ。要するにわたしの声は自分の理想とするところとは違い、そのポテンシャルはずっと細くて高かった。
それ以来こんなことを何年も続けてきた中で、その意識を変えるのがいかに難しいかに打ちのめされているというのが現状なのだ。どうしても自身の声が「細く高い声」だということにカラダが納得できず、気がつくと「太く低く」出そうとしている自分がいる。そしてその差異がそのまま歌いにくさに繋がっている。
昔の歌い方を再現した際、喉を無理やり広げて歌っていることに我ながら驚いた。それは意図的にそうしているというよりは「自分の喉が広いものだと信じて使っている」というニュアンスこそが正しい。恐らく自分の理想とする「太く低い声」を無意識に出そうとする中で、自分の身体イメージをその音色に合うようアジャストしていった結果なのだろう。生き物って面白いね。
そうなると息の量ウンヌンはもちろん気をつけるべきことだとしても、今回のことで気付かされた要素である「喉の太さのイメージ」もより現実に即したモノにする必要がありそうだ。
7日目
というわけで、5日目から7日目は「自身の喉イメージをより細くする」ということに主眼を置いて練習した。毎日似たようなことをしていたので5・6日目の音源はオミットしちゃおうかな。
いつも通りで申し訳ないが具体的な練習方法などはなく、まさに文字通り「自分の喉って残念ながら本当はもっと細いんだよなぁ」と意識しながら、息との塩梅を調節していくというだけのことである。
最後は痰がスポッと挟まってしまったので強制終了ということで。
7日目の音源に比べると、「喉のイメージ」的な抽象論は抜きにしても、1日目の音源は何となく無理がある(無理に太い声を出そうとしている)のがお分かりいただけるのではないだろうか。もちろん体感としても7日目の方が圧倒的に歌いやすいので、どうやら今日の段階では成功したと言えるような気がする。
現在の声の出し方を大図解!
恒例の謎図、今回も掲載しまっせ。
この一週間も根源的なテーマは今までと変わらず「より楽な方へ」を意識して練習した結果、以下のような変化があった。
- 太い響きはより上に移動(②番)
- 鼻の辺りで新たな「中くらいに響く場所」を発見(③番)
- 細い響きは頭部全体へ拡大(④番)
- 意識すべき「さらに太いエネルギー」(①番)
- 息の方向を示す矢印の先が消えているのは誤植ではなく、息が上だけでなく下に向かって圧を加えている感触もあるためにこうした
太い響きよりさらに下に、声の根源的な役割をする「①番」があった。これはとても大事な役割を担う響きのようで、妙に歌いにくいと感じる時はこの元が鳴っていないことが多い。
鼻と上唇の間あたりに中間的な響きを持つ③番の箇所があり、そこから後方へ力が発揮された結果④番が鳴りだす、といったイメージ。何やら偉そうに書いているがなんのことはない、結果的に声として出てきたのが上記の音源なのだから大したことは無いのである。
わたしの中で重要なのは5日目以降は変わらずこの同じイメージで歌えているということ。
いちいち書き記していないだけでこのイメージは日毎に違っているのが実際のところ。ここ数年の間に何度か掲載した謎図ではあるが、厳密に同じ歌い方を数日続けられたことは正直なところ無い。
それが今回は違ったということなのだ。それこそ喉の調子によって微妙な差異はあれど、朝起きた瞬間からおおよそ同じイメージで声が出ていることに我ながら驚いている。これが自分の身体としての最終結論だったらいいな~とか願っちゃったりして。
未だ大きい声を出そうとすると一気に意識の方向がおかしくなってしまうが、果たして練習次第でどうにかなるものなのか。引き続き頑張っていくつもりだ。
それでは!