ディレイの使い方を勉強し直してボーカルに微妙な距離感を演出したい
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予定通り、ディレイの使い方についてもう一度考えてみます。
実のところディレイって一番適当に使っていたVSTプラグインかもしれない。
いつも「とにかくトラックに馴染みさえすればいい」ぐらいの気持ちで適当~に使っていました。ディレイを使ってどうしたい、っていうイメージがあまりなかったせいだと思います。
でも今は違う。あるんだ、イメージが。
この記事を経てようやくわたしがディレイに求めていたものに気が付いたんだ。
これですよ。
この微妙な距離感。
アナログ録音で表面に張り付くような音だったギターが、フッ…と後ろに下がった感じ。これを普通のディレイでも演出してみたいんです。
練習してみよう。
前回の記事はこちら。
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そもそもディレイを真剣に使ったことがない
マジでこれに尽きるんだよなぁ…。
ほとんどフィードバックとミックスのつまみしか触ったことがありません。この際なので1つ1つ確認したほうが良さそうです。
使用するのはBT Tempo Delay DL3D-3。
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*BT Tempo Delay DL3D-3 画面*
いつもはもう少し簡単な作りのCakewalk Tempo Delayを使っているのですが、せっかくなのでSonar Professionalに付属していたこいつの使い方を覚えてみたい。
BT Tempo Delay DL3D-3を触ってみた
とはいえ、ざっと見た感じ謎のつまみは無さそうですね。
テンポはプロジェクトにシンクロさせたり、自分で設定したり出来るようになっています。肝心のディレイは3つ設定できるようになっていて、フィードバックでやまびこの回数を調節。一番右にはハイパスフィルターとローパスフィルターがついていますね。
そうしたらディレイ部分の塩梅を確認してみましょうか。
音源はいつものこれです。
・実験体1号(ギターとボーカルのみ) ボーカルのリバーブをオフに
ディレイの効果がより分かりやすくなるよう、ボーカルにうっすらとかけてリバーブを切っておきました。
まずはBT Tempo Delay DL3D-3を挿してそのまま鳴らしてみましょう。
・デフォルト値(ギターとボーカルのみ)
…怖!気持ち悪!
全てのチャンネルから襲い掛かるようにわたしの声が…ディレイに求めるコレジャナイ感がもうすごい。
でも作用は非常にわかりやすいですね。DLY1・DLY2・DLY3に設定されたタイミングとパン通りにやまびこが来ているようです。
続いてはDLY1・DLY2・DLY3を順番に1つづつオフにして聴いてみます。
・DLY1をオフ
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*DLY1をオフに*
・DLY2をオフ
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*DLY2をオフに*
DLY3をオフ
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*DLY3をオフ*
うん。非常にシンプルな動作で使いやすそうです。
ちなみに、表示が小さくてわかりにくいかもしれませんがDLY2とDLY3については付点がついているんですね。今更ですが。
短いディレイで微妙な距離感を演出したい
それでは本題です。
とにかくディレイタイムが長すぎる。これはこれで使いどころがあるのだろうとは思いますが、こと今回の目的に関しては的はずれもいいところ。
まずはターゲットをDLY3に絞って他のチャンネルはオフに。
ディレイタイムを最短の16分音符に設定し、テンポのシンクロを切ってBPMを早くすることでさらに短めのディレイを設定してみました。
・パターン1
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*パターン1の設定*
そうそう、こういうことなんだけど…。
まだディレイタイムが長いのか、それとも短すぎるのか、距離感というよりは狭いリバーブみたいなことになっています。しかしまぁ、それは当然そういうことになるのか…むむぅ…。
もう1つチャンネルを増やしてみましょう。
DLY1をオンにして、MIXを少なめに。テンポをさらに上げてもっと短いディレイにしてみました。
・パターン2
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*パターン2の設定*
良くなってきましたね。
先ほどのディレイタイムはわたしが狙っているより長かったのかもしれません。チャンネルが1つ増えたせいもあってか、より自然な感じに聴こえます。
トラックと混ぜたらどう聴こえるんだろうか。
・パターン2をトラックと一緒に
かなりイメージに近づいてまいりましたよ。
これでも十分と言えば十分なのですが、欲を言えばもう少しささやかにしたいですね。
そして、さらにああでもないこうでもないと弄った末テンポは170bpmに。ディレイのボリュームを減らして、逆にミックスは先ほどより上げました。するとローのもたつきがとても気になったのでハイパスでばっさりとカット。
・パターン3
【比較】ディレイ無し
これこれ!
ちょっとだけ声が奥まった気がしませんか。
全体を聞き比べてみましょう。
・実験体1号 ディレイ無し全体
・実験体1号 ディレイ(パターン3)全体 リバーブも少しかけた
すっごい微妙ですね 笑。
でもこれがやりたかったんだからこれでいいんだ。
前面に張り付いていた声を少しだけ後ろに下げることが出来ました。
表面と歌の間に一枚空間が入った感じというか。今回の音源では非常に薄い1枚ですが、ディレイタイムを調節すればこの空間の厚みが変わってくるというわけです。
いつもの通り独学につき、この使い方がセオリー的に正しいかどうかは全くわかりません。が、わたしの目的としていた部分については達成された感があります。よかった。今回は手ごたえありだ。
今回のまとめ
いずれ改めて別ページにしっかりまとめるとして、この記事ではざっくりと。
ディレイタイムは短めに
ディレイタイムを短めに設定する。必要があればテンポを速くするともっと短くなる。
チャンネルは2つ以上が望ましいのかも
よく考えるとパターン1ではチャンネルが1つだけだったので妙なリバーブ感が生まれてしまった気がします。2つ以上使ってステレオ幅を広げてやると馴染みやすくなるんじゃないでしょうか。
ディレイ音のイコライジングも忘れずに
またまた登場「イコライジング」。やっぱり低音域はパワフルですね。忘れずに整えておくべき。
こんなもんでしょうか。
というわけで、今日は以上です!
ひとまずこの音源についてはこれで完成、ということにしようと思っていたのですが、せっかくなのでハモリパートのミックスもこの音源を使って練習しておこうと思います。これもいっつも困るんだ。本当にいっつもいっつも…
それでは…。