オリジナル曲のコード進行の作り方2【実際にコード進行を作る】
オリジナル曲の作り方シリーズ第三弾!
今回は前回の下準備を踏まえて、実際にオリジナル曲のコード進行を作成する方法を解説します。手順としてはまず簡単な三和音でコード進行の骨組みを作り、その上でちょっとした工夫を加えてオシャレでかっこいいコード感にしていきますよ。
わたし自身が初心者なので、難しい理論は抜きにしてとにかく簡単にコード進行が作れる方法をご紹介します。
ぜひ読んでみて下さい。
前回の記事はこちら。
→オリジナル曲のコード進行の作り方【オリジナル曲のキーを確認する】
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オリジナル曲の作り方をわかりやすくまとめました
キーボードで基本の三和音を弾いてみる
冒頭に書いた通り、始めに簡単な三和音でコード進行の骨組みを作ります。
で、コードの骨組み作りに使用する簡単な三和音を、便宜的に「基本の三和音」と呼ぶことにしました。本当はちゃんとした音楽用語があるような気もしますが…勉強不足ですいません。
とりあえずこの基本の三和音をキーボードで弾いてみましょう。
とても簡単です。
まず、以下の図を参考にCのコードを弾いてみて下さい。
ルート音「ド」を基本に、3度上のミ、5度上のソからなる三和音です。音楽の授業で一度は耳にしたはずの、いわゆる「ドミソ」ってやつですね。
三和音の仕組みや詳細については以下のページをご覧ください。
注目してほしいのはこのフォームです。
鍵盤を一個飛ばしで三つ押さえてますね。このフォームを「Cのフォーム」とでも呼ぶことにしましょうか。実はこのフォームがとても大事なんです。
次にCのフォームのまま白鍵を1つづつ上に上がって行ってみて下さい。ドミソの次はレファラ。その次はミソシと弾いていくと…
・Cのフォームで1つづつ鍵盤を上がった音源
どうでしょうか。Cのフォームのまま上がっていっただけなのに立派なコード進行になっていませんか?さすがピアノ様やでぇ。
上の音源のコード進行をコード名で書くと以下の様になっています。
・上の音源のコード名(基本の三和音)
【C → Dm → Em → F → G → Am → Bm♭5 → C】
Cについてはオクターブ違いで二つあるので、実際は6種類のコードで構成されたコード進行です。
そしてこれが、今回コード進行の骨組みづくりに使用する「基本の三和音」の全コードです。6個しかない上フォームも全部一緒。超簡単ですよね。
フォームが一緒なのに、メジャー、マイナー、更にBはマイナーフラットファイブ(マイナーコードの5度の音が半音下がったコード)にコードが変化するのは、ピアノの鍵盤の音の間隔に差があるためです。ピアノって先人の知恵が詰まった楽器なんですね。上手に弾ける人が本当にうらやましい!
ちなみに、こんな風にCのフォームで簡単に弾いても自然にコードがハマるのは、曲のキーがCメジャー(Aマイナー)の時だけです。だから前回メロディーのキーとキーボードのドレミを合わせておきました。この方が絶対簡単なので、わたしのような初心者の方は以下の記事を参考に、面倒でもぜひキーを合わせておくといいですよ。
参考:オリジナル曲のコード進行の作り方【オリジナル曲のキーを確認する】
6つのコード名はこの段階でそんなに真剣に覚える必要はありません。Cのフォームで白鍵を適当に弾けば100%基本の三和音のどれかになっているからです。その時のルート音を見てもらって、DならDmだしBならBm♭5だし。適宜確認してもらえばいいんじゃないかと思います。
もちろん、余裕がある方はコード名を覚えておけば、後々知識が蓄積してきたときに発展させやすくなりますよ。
次の項からこの基本の三和音を使って実際にコード進行を作っていきます。
基本の三和音でコード進行の骨組みを作る
まずはわたしの作ったオリジナル曲のメロディを聴いてみて下さい。
・オリジナル曲のメロディ
このシリーズの始めの記事で作曲したメロディです。それにしてもひどいノイズですね…。
何の気なしに口ずさんだメロディですが、確認したところキーはA#マイナーでした。なのでキーボードを半音上に移調して、メロディのドレミとキーボードのドレミを合わせてあります。これでCメジャー(Aマイナー)と同じ感覚で基本の三和音が使えるというわけです。
このメロディを元に、基本の三和音を使って色々試してみました。
※以下、半音上に移調したキーボードで弾いているのでコード表記が実際の音と半音ずれています。ご注意ください。【例:C→本当はC#】
・ずっとC
明る~い 笑。わたしのイメージと乖離しすぎて気持ち悪~い。でも不自然な響きにはなっていないはず。こんな曲もありますよ…ね?無いか。
・ずっとAm
悲し~い…。でもわたしはこのメロディを短調として作ったので、こっちの方がイメージに合います。
今度はもうちょっとコード進行っぽくしてみましょう。
・Am → G → F → Em → Dm → C
先ほどまでよりはコード進行っぽくなったでしょうか。でも実はCのフォームのまま「ラソファミレド」と下がってきただけ。
このように、キーさえ合わせておけば、適当に基本の三和音を組み合わせるだけでなにがしかの曲になります。後はその中から自分のイメージに合うコード進行を見つければOK。簡単ですね。
先ほどのコード進行は後半ちょっと不自然に感じます。もう少し変えてみましょうか。
・Am → G → F → Dm → Em → Am
さっきより自然に聴こえるようになりました。でもまだわたしのイメージとは違います。何度も言いますが、やっていることはCのフォームで行ったり来たりしているだけです。
F → Em → Am → C → F → Em → Am → C【わたしの中の正解】
というわけで、これがわたしの正解。
メロディを作ったときに頭の中に合ったイメージはこんなコードです。実はちょっとまだニュアンスが違うんですが、この後微調整していこうと思います。
余談ですが、この「正解」っていうのは完全に自分の主観。数学的な意味での正解じゃないんです。なんならメロディと全然違うキーで不協和音みたいなコード進行でも、そういうイメージで作ったんならそれが正解のはず。
それが音楽の楽しいところですよね!
自分こそが正義。I am the law。
ここまで聴いていただいた結果、もしかすると始めの「ずっとC」が正解に聴こえたって人もいたのかな…。もしかすると1万人に1人ぐらいはいたかもしれませんね。まぁこのメロディの作り手はわたしなので、そんなあなたは間違いです 笑。
コード進行を作っていく雰囲気がなんとなく伝わりましたでしょうか。
コードを付けることは、慣れるまで少し難しいと感じるかもしれません。
でも、基本の三和音なら少なくとも弾くのは簡単ですよね。
キーさえ合わせておけば、上の例の通り適当に弾いてもだいたい曲になるはずです。それだけでも楽しいと思いますので、アイデアなど無くとも適当に弾いてみればいいんじゃないでしょうか。
本来、メロディーを作った時点で頭の中には何らかのコード感がイメージされているはずなんです。難しいコードを色々覚える前に、基本の三和音でそのイメージを形にする練習をしてみて下さい。そのうち自分の好きなコード進行や、コードのつながり、コードの意味、そんなものが感覚的にわかるようになってきます。なーんて、わたしもそんな偉そうなことを言える技量ではないんですけどね。
あ。言葉でしゃべることと似てるかもしれないな。ボキャブラリーが増えて思ったことをより正確に他人に伝えやすくなる感覚。
楽しんで作っていればそのうち言葉の様に自由にコード進行を作れるようになると思いますよ。
わたしも頑張ります。
基本のコード進行を発展させてみる
※前項と同じく、半音上に移調したキーボードで弾いているのでコード表記が実際の音と半音ずれています。ご注意ください。【例:C→本当はC#】
さっきのコードをもうちょっと発展させて、より自分のイメージに近いコード進行にしようと思います。
以下が先ほど作った骨組み。
・F → Em → Am → C → F → Em → Am → C
このコード進行を基本に、すこし発展させてみたいと思います。
三和音から四和音に
わたしがコード感のニュアンスを調整する場合に、一番手っ取り早いんじゃないかと思っているのがこの方法です。四和音についてはおなじみの以下のページをご覧ください。
例えば、骨組みのコード進行のEmをE7に変えてみます。
・F → E7 → Am
E7の不安定な響きが加わって、次のAmに進むコード進行にメリハリが出ましたね。
他にもメジャーコードをメジャーセブンスに、マイナーコードをマイナーセブンスに変える(セブンスの音を加える)事でコード感が丸くなって柔らかい印象になります。先ほどの参考ページに例があるので聴いてもらえばわかりやすいかも。
反面、その分パンチが無くなるという意味にもなりますので、あくまで自分のイメージに従って使ってみるといい感じに仕上がると思います。
ベースの音とコードをずらす
このバターンもわたしは多用しています。
例えば先ほどの音源。
・F → E7 → Am
なんか最後のAmの響きが強いんだよなぁ…。でもAm7にしてもイメージ通りになりませんでした。
そこで。
ベース音はAのままコードはGを弾いてみました。聴いてみて下さい。
・F → E7 → G/A
まさにイメージ通りになりました。
コードの表記が見慣れない書式になっていますが、数学の分数と一緒です。A分のGみたいな。つまりはAをベースにGのコードを弾いてるということなんです。
こんなパターンもあります。
・Am → G → F
普通のコード進行ですね。
次に上記のコード進行を全部Aのベースで弾いてみましょう。つまりベース音は始めのAmからずっとA。
・Am → G/A → F/A
なんだか緊迫感が出ましたね。
このようにベース音とコードの関係に変化を付けてやることでニュアンスがかなり変わってきます。遊び感覚で色々試してみると面白いですよ。突然お気に入りの響きに出会えたりして、どんどん引き出しが増えていくのが楽しいです。
個人的にはコード進行表などで学ぶより、実際に弾きながら気に入ったものを取り入れていった方が、音の感覚が腑に落ちるのでおすすめです。
トップノートを意識する
トップノートっていうのは和音の一番高い所にある音。コードを弾いたときに結果的に一番目立つ音です。
Cを例にとって考えてみましょう。
Cの構成音はドミソでしたよね。これを普通に弾けばトップノートはソです。でも、ミソドと弾いても構成音は一緒。同じくCです。そしてこの時のトップノートはドに変わります。
つまりコードを展開することで同じコードでもトップノートを変えることが出来るんです。
コードをつないでいく際に、このトップノートが音楽的になるようにコードを展開していくと、かっこいいコード感になりますよ。
以上、色々書いてきましたがコードを発展させる際のヒントになればうれしいです。
最後にここまで書いてきたようなことを色々調整し、リズムを付けて演奏した音源をお聴きください。
・オリジナル曲 コード付き
流れでAメロの繰り返し部分まで作ってみました。
メロディだけの時に比べてかなり曲らしくなりましたよね。コード進行はそれだけで曲の雰囲気をかなり決定づけてしまうので、納得できるまで色々試してみるのがいいと思います。
色々試すことで結果的に引き出しが増え、曲のバリエーションが広がりますよ。よかったらこの記事に書いてきた方法「基本の三和音」を使ってみて下さい。
簡単なので本当におすすめです。
次回はオリジナル曲のドラムパートの作り方を解説します。
お楽しみに。