オリジナル曲のミキシング
オリジナル曲の作り方シリーズ第八弾!
前回をもって、実質的なオリジナル曲の作り方としては一通りの解説が終わりました。
メロディがあって、コードがあって、ドラム、ベース、ギターが付いて…かなり曲らしくなったんじゃないでしょうか。記事を書きながら曲作りの工程を分解して考えることで、わたし自身も色々な発見があり、とても面白かったです。
少しでも何か参考にしていただける部分があったなら嬉しいな。
今回はこのシリーズの最後として、曲作り最後の工程「ミキシング」についてちょっとだけ触れてみようと思います。
前回の記事はこちら。
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オリジナル曲の作り方をわかりやすくまとめました
ミキシングって何?
ミキシングっていうのは簡単にいうと「各パートの音をきれいに混ぜてCDっぽい音源にする」という作業です。その名の通り全パートを混ぜるからミキシング。
各パートの音質をきれいにして、音量のバラつきを揃えて、音が出る場所を調節して、残響を加えて、最後にバランスをみながらきれいに混ぜ合わせる。他人に気持ちよく聞いてもらう上で大切なのはもちろん、作った曲を1つの作品として完成させるっていう意味でも大事な作業です。
具体的な方法については別ページにまとめてありますのでそちらを読んでみて下さい。
参考:ミキシングの手順とコツ
この記事では、ミキシングで具体的にどのようなことをするのかを、音源を掲載しつつ簡単にご紹介しようと思います。
ミキシングの工程
ミキシングの工程は大きく分けて以下の4つ。
・パン・ボリュームの調整
・イコライザーで音質調整
・コンプレッサーで音量調整
・リバーブで残響を加える
各工程の順序について色々ネットで調べたところ、本っっ当に人それぞれのようで、恐らく正解は無いんじゃないかと思います。
なので、それぞれの工程を今回のミキシングで実際に私が行った順序でご紹介しますね。
あくまで一例としてお読みください。
パン・ボリュームの調整
「パン」というのは音の定位のこと。
もっと簡単に言うと音の発生する位置のことですね。
例えばボーカルはセンターでギターは右でピアノは左とか。DTMではツマミ1つで簡単に調節できます。今回のオリジナル曲は現状全てセンターになっており非常に聴きずらかったので、まずパンを調節しました。
これだけでも大分聴きやすくなるんですよ。
パンの調節と併せて、各パートのボリュームバランスもざっくりと揃えておきました。
【以下、ミキシングの参考音源はボーカル・ギター・ピアノ・ベースを抜粋したものです】
・パン調節前
・パン調節後
今回の音源はヘッドホンをして聴いていただいた方がわかりやすいかもしれません。
ギターを右に、ピアノを左に、ボーカルとベースはセンターにパンニングしました。
詳しくはこちら。
参考:ボリュームとパン
イコライザーで音質調整
イコライザーとは周波数毎の音量をブースト(大きく)したりカット(小さく)したりして音質を整えるエフェクター。基本は雑味がある、と感じる周波数帯をカットしたり、パート同士での周波数帯のカブりを解消させたりします。
意図的に過度なブースト&カットを行い音色自体を変化させちゃうという使い方もあるようですが、わたしは上手に使えないのでやりません。
というわけで、今回も基本的なイコライジングのみを行いました。
・パンまで済み
・イコライジング後
音を覆うモヤが取れて音質がスッキリとしましたね。
トラックが増えてくると非常に大事な作業です。
詳しくはこちら。
参考:イコライザー
コンプレッサーで音量調整
コンプレッサーとは、設定した値(スレッショルド値)より大きい信号を圧縮して音量を揃えるエフェクター。歌やギターなどの生音は特に音量差が激しいので、きれいに揃えてやることで聴きやすくなります。また各パートの音量差を小さくすることで結果的に音圧を稼ぐことにも繋がります。
なかなか使い方が難しいエフェクターの一つです。
・パン+イコライジングまで済み
・コンプレッサー後
各パートの音量がある程度一定に揃えられました。特にボーカルは音量差が激しいので効果がわかりやすいと思います。
格段に聴きやすくなりましたよね。
詳しくはこちら。
参考:コンプレッサー
リバーブで残響を加える
リバーブとは「空間系エフェクター」と呼ばれるもので、大きなホールで演奏している感じや、小さい部屋で演奏している感じなど、空間の残響をシミュレートするエフェクターです。
適切に使用すると演奏に臨場感を持たせることができるし、各パートの統一感も出て曲としてのまとまりも生まれます。
・パン+イコライザー+コンプレッサーまで済み
・リバーブ後
今回の曲では、リバーブはかなり薄めの設定にしたので効果がわかりにくいかもしれません。このぐらいがわたしの好みなんです…が、例として掲載するならもっと激しい残響にすればよかったですね。
詳しくはこちら。
参考:リバーブ
ミキシングの主な工程の解説は以上です。
この基本の工程を踏まえて、DTMの達人たちはさらに高度なエフェクターや小技を駆使し、よりクオリティの高いミキシングをしているようです。
ちょっとググると非常に参考になりますよ。
が、何事も基本が大事。
わたし自身も、まず基本のミキシングをマスターしてから次の過程に進みたいなと思ってます。ただでさえややこしい作業なのに一気に色々手を出すと余計に混乱する気がして。絶賛修行中です。
オリジナル曲完成
というわけで、同じ手順を他パートにも全て施して、最後に改めてバランス調整をした音源がこちらです。比較としてミキシング前の音源も掲載しておきますね。
・オリジナル曲(一旦完成)
・オリジナル曲(ミキシング前)
どうでしょうか。
荒っぽいミキシング前の音質がキレイに整いましたね。
コンプレッサーで音量のバラつきを抑えたのでいい感じに音圧も稼げています。
この曲はビートが気持ちよかったので、ドラムパートとベースを相対的に大き目の音量にしました。ボーカルは現状ちょっと目立ち過ぎでしょうか。もうちょっと小さい音量にするか、リバーブをもう少しかけてトラックに馴染ませてもよかったかもしれませんね。
こんな風にミキシングって、時間を置いて聴くとまた違う聴こえ方になったりします。方向性がわからなくなったら時間を置いてみるっていうのも1つのコツ。
【尚、このオリジナル曲は次のシリーズでフルバージョンとして完成させる予定です。よかったら覗いてみて下さい。】
基本的なオリジナル曲の作り方の解説は以上をもって終了です。
お疲れ様でした。
後は自分の作りたい曲に合わせて、必要に応じて新しいパートを追加したり、サビにハモリを付けてみたりと色々あると思いますが、基本的にはこんな感じの流れになるはずです。繰り返しオリジナル曲を作っていく中でどんどん作曲方法の引き出しが増えて、それに比例して楽しさも増していきますよ。
本当に音楽って楽しいですね。
今後も、もっといい曲が作れるように頑張ろうと思っています。
それでは!